手塚兎月の備忘録

チェス、ポケモン、数学、その他

性差がチェスの結果にどう影響するのか

性差がチェスの結果にどう影響するのか

 

news.yahoo.co.jp

この記事が原因でTwitter(現X)、私のTLが少し騒がしくなりました。

男脳女脳の存在には私は否定的です。

少し調べたところでは、否定的な記事はどれも「脳の性差はごくわずかで、個人差の方が大きい」でまとめられています。批判的な意見としては、女性の方が多いうつ病アルツハイマー認知症があることから、何か見落としていることを指摘されています。

研究が進めば進むほど、「男脳」「女脳」という脳の性差を証明できる証拠が乏しくなる (2021年5月1日) - エキサイトニュース

また、批判する気持ちは理解できます。どの国でも男性の方が自殺率が高い事実から、その理由の一つとして脳機能を挙げたい自分がいます。我が国では2022年は2倍の差があります。しかしその理由を脳の機能だけで説明するのでは限界があるので、別の視点から説明する必要があります。例えば肉体的性差、社会的性差、心理面の三つから。

肉体的性差は想像がつくでしょう。社会的性差とはここでは、社会が求める男女の役割の違いと定義しましょう。 

平成10年以降の自殺者急増は「経済・生活問題」による中高年男性を中心としたものであり、バブル崩壊後の社会経済的状況の悪化による影響が推測されます。

自殺の実態 | e-ヘルスネット(厚生労働省)から引用

ニュースやネット上の印象だと経済的に苦しくても、その支援に男女差があるように見えます。しかし本題はこれではないのでここで終わります。

 

主題の性差がチェスの結果にどう影響するのか、をこの三つを軸に考えていきます。

1.肉体的性差

一つ目の肉体的性差。

これは分かり易くて、筋肉量(体力)と生理ですね。

1-1体力

女性は体力が男性と比べて少ないことは一般的なことだと考えます。その理由は筋肉量の差です。(エビデンスはない。)

7月に神戸で開催された大会だと、持ち時間90分+一手につき30秒追加されました。

終了の目安はだいたい3時間から4時間でしょうか。これを一日2試合行いました。ボードゲームに馴染みがないとイメージが難しいですが、非常に疲れます。終盤戦は持ち時間も少ないので体力と気力で戦うことも珍しくありません。体力も重要な戦う要素ならば確かに女性は不利になりましょう。(どの程度不利になるかはこの際考えない。)

1-2生理

生理の話題は難しいので、女流棋士のインタビュー記事に任せたい。

bunshun.jp

10代からの生理や痛み止めの影響がどうあるのか想像するのは難しい。

チェスの大会では参加者の一割程度が女性の印象を受ける。

(それが多いのか少ないのかはわからない。)

その参加者に聞くわけにもいかない。

隔週金曜日に発売されてるスペリオールに掲載されてる漫画

「永世乙女の戦い方」にも大御所とされてる先輩女流棋士奨励会時代に、

生理で悩んでいる描写がある。(監修は香川愛生女流棋士)

本題とは関係ないが、作者のくずしろさんの漫画が好きなのでこの機会に読んで欲しい。

2.社会的性差

二つ目の社会的性差。

男女の社会における役割の違い、と定義しました。これを拡大解釈してジェンダーバイアスとしましょう。男性は数学が得意で女性はそうでもない、みたいな話です。

www.asahi.com

記事内の論文の中に

数学能力に性差があると言われたとき、数学における女性の成績は男性よりも低下したと報告した。しかし、そのような性差がないと言われた場合、数学の成績は男性と同等でした。グループの否定的なステレオタイプを増加させる恐怖のタイプは、ステレオタイプの脅威として知られています。日本では、中高生女子の数学学習意欲は、数学で高得点を取ったが、「お疲れ様」と褒められた場合よりも「お疲れ様でした」と褒められた場合の方が低下したと報告されています

チェスも同じで、長い間チェスは男性のもので女性には適さないと考えられていました。こうした固定観念が女性のパフォーマンスが低い原因の一つと考えています。

日本国内では2023年の千葉選手権で女性が優勝されていますが、こうした事実があるのにも関わらず、この固定観念は根強いように思います。

また世界に目を向ければポルガー三姉妹が有名ですが、日本では彼女たちの活躍は知られていません。(チェスが日本ではマイナーな競技であり、女性のプロ将棋棋士が誕生するかどうかに関心が強いからかもしれない。)

 

3.心理面

最後に心理面

gigazine.net

社会的性差と被る所が多くなりそうですが、女性は異性と同性で戦う時に心理面で違いがあるのかという話ですが、上の記事を読む限りはありそうですね。

個人的な話ですが、2023年の上半期時に令和4年の日本女子チャンピオンと三位に私は公式戦で勝っています。記事の印象とは合致しませんね。負けを認めさせるのを遅らせる実力は私にはないですが、レーティング差と自信がないと難しいような気がします。

 

最後に

社会的性差や偏見によって女性のパフォーマンスが下がっている可能性が高い。

性差は各国で古くから長い間、大きな影響があると考えられていましたが、今では男女の脳の違いはわずかに認められるものの個人差の方が大きいと考えています。男女脳の神話は否定されつつあるも、根強く社会に信じられています。

 

個人的な意見ですが、男女脳を信じる人は肉体的性差と社会的性差を含んだ言い方をしているのではないかと思います。

つまり男女脳が存在するから肉体的性差と社会的性差が生まれるのではなくて、肉体的性差と社会的性差が存在するから男女で脳の違いがあってもおかしくないよね、って言い方をしている印象を持ちます。

脳機能には不思議な事も多いですから、未来では男女脳の存在が科学的に大きな影響を持つと証明されているかもしれません。論文の読み方は知りませんが、男女差が本当に存在する視点で考えると、例えば大きな男女差があっても公表しない可能性もあります。嫌な言い方をすれば、これを研究する人は男女に差があること、特に女性の方が劣った印象を覆すために研究をしているのでは?ならば男女で発症差がある病気が存在することも納得できますね。

製薬会社だとスポンサーの影響を受けるからそういった事もあるらしいですね。ラーメン通がラーメンでなく情報を食べているように、私たちも論文の中身で判断しているのではなく、論文の掲載雑誌や大学名で論文の正しさを判断しているということです。

最初に書いた通り、私は男女脳の存在には否定的です。ただ、論文があるからといってその中身が不正されていない可能性がないわけではないので、要確認すべき、と言いたいのです。

 

色々ここで書きたいこと、思う事はあります。

冗長になるだけですし、炎上し易いテーマだと考えますからこの辺で終わりたいと思います。